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ばさりと、目の前の愛しい体が崩れ落ちる。
「......A？」
反応がない。白目が剥き出しになっていて、かわいい顔が台無しだからその目に触れて位置を戻しておく。
「A？死んじゃった？」
まあ、死んでしまったんだろう。
結構脆くて柔らかくて、儚かったな。お腹の命も消えてしまったのかと思うと悲しいけど。
だって、Aの体の中に俺とAの血を受け継いだ生命体がいたってことでしょ？
そんなの、最高の状態じゃんか。
俺とAの愛の結晶が育っていくのを見守るの、楽しみだったんだけどなー。
それに俺、Aのことこんな風に解体とかできないし。
そう思いながら、風呂場に溜まった肉片を振り返る。
まだ全然、処理が終わってない。原型はもう留めていないくらいには切り刻んだけど、さすがにもう少し洗わないと捨てにくいし。
「とりあえずここは臭うから移動しよう、A」
動かないAの体をよいしょと持ち上げて、寝室まで運ぶ。
ベッドに降ろしたAを見て、何度もここでAを抱いた記憶が蘇ってきた。あー、かわいい。
隣に寝転がれば、目の前にAの長いまつげが見える。綺麗で俺のお気に入りのパーツ。
「A、俺どうしたらいいかな？俺はそっちに行きたいんだけど」
返答はない。当たり前だ、死者は二度と還らないんだから。
「ホルマリン漬けとかにして永久保存しちゃう？ホルマリン漬けが永久なのか俺にはわかんないけど」
それも悪くないなと思いつつ、Aを容器に閉じ込めるなんてことはしたくない。
俺と直接触れ合えるこの距離のまま、永遠に時を止められたらいいのに。
でも、そういうわけにもいかない。生者と死者の世界は交わることはないんだから。
こうしている間も俺の心臓はドクドクと脈動を続けて、Aの体は腐っていく。
「Aのことをちょっとでも傷つけた奴を根絶やしにしないと俺は気が済まないんだけどー
......でも、Aの傍にいる方が大事だもんね」
まだ柔らかい唇にキスをして、ポケットに突っ込んでいたハサミを逆手に持つ。
「俺も今から、そっちに行くね」
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灯莉(プロフ) - レモンさん» レモンさんはじめまして。最初からの読者様なんですね！ドラキュラ舘様、一本目ということもあってわたしも思い入れがあるストーリーなので嬉しいです。ありがとうございます(o´艸`) (4月20日 0時) (
レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - そして新作も楽しみです。 (4月19日 23時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 灯莉さんはじめまして。最初から読ませて頂きました。どのお話にもいろんな愛の形があるんだなぁと思いました。私は舘様のドラキュラのお話が大好きです。その後夢主ちゃんはどうなったのかも気になります。 (4月19日 23時) (レス) @page38 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯莉 | 作成日時：2024年3月25日 21時
